飛行機に装着する階段付きタラップ車徹底解説!現役GHが解説する操作方法

パッセンジャー・ステップ車航空業界

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(この記事は2021年6月3日に更新しました)

飛行機に装着するタラップ車(パッセンジャー・ステップ車)とは?

パッセンジャー・ステップ車

飛行機に搭乗・降機する際に使用する車両機材をタラップ車もしくはパッセンジャー・ステップ車といいます。

タラップの語源はオランダ語で階段のことで、 英語圏ではramp(ランプ)と言えれ航空機を乗り入れする際に架設された構造物です。

みのる
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タラップ車には2種類あり運転席がある自走式タイプと、運転席がない非自走式タイプがあります。

自走式タラップ車の写真

自走式タラップ車

非自走式タラップの写真

非自走式タラップ

タラップ車の運転には大型免許が必要で、PBB(パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ)のない駐機場ではタラップ車を使用します。

PBBの内容については以下の記事をご参照ください↓

 

非自走式の場合は取り扱いは、免許がない方でも操作可能ですが、トーイングトラクター(TT)で非自走式のタラップ車を牽引する時は、会社によって判断が異なります。

トーイングトラクターの写真

トーイングトラクター

他の車両機材であるベルトローダー車、ラバトリー車、ウォーター車と同様に、タラップ車も機種ごとに資格分けがされており、B737取得後はB767など訓練カリキュラムがあります。

タラップ車は運転操作の難易度が高く、直接お客さまが航空機を乗り入れするために使用される機材の為、ミスは許されません。
みのる
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私が2006年にグラハン業界に入社した新人の頃、お世話になったベテラン先輩が飛行機にタラップ車装着後、アウトリガーを失脚しお客様が機内から降機中、すごく揺れた現象があったと聞いたことがあります。

※アウトリガーとは、多くの乗客がタラップ車を通じて搭乗・降機をする為、車体が横転をしないように安定性を施すための装置です。

アウトリガーの写真

アウトリガー

アウトリガーを失脚すると、乗客の重さに車体が耐えられず左右に動いてしまい、お客様が足をとられたり、タラップ車自体が転倒する恐れがあります。

幸いにも事故や負傷者が発生しなかったですが、重大インシデントレポートになってしまい、担当した作業員は責任を取ってタラップ車の資格がはく奪となりました。

当初は、ケガ人等の発生がなかったのが幸いでしたが、これが横転した場合は飛行機の欠航につながる恐れもあったので、取扱注意の車両となります。

タラップ車を航空機に装着手順と注意点

  1. 飛行機の機種にタラップ車を事前高さ設定。(プリセット)
  2. 航空機到着後、整備士の作業合図開始と共にエントリードアに装着開始。
  3. タラップ車を航空機装着後、アウトリガー張り出し。
  4. 荷台に移動し、航空機入口部分とタラップ車に段差が無いか確認。(段差がある場合は高さ調整を行う。)
  5. 雨除け防止のキャノピーを張る。
  6. エントリードアをオープン。

 

エントリードアのオープン操作方法は以下の記事をご参照ください↓

 

自走式タラップ車は飛行機の機種毎に対応できるよう、プリセット(高さ調整)ボタンで自動設定する機能が備わってます。

タラップ車の写真

タラップ車(小型機に装着する高さ)

タラップ車の写真

タラップ車(中型機に装着する高さ)

飛行機が駐機場に到着後、飛行機のエントリードアへ向けてタラップ車をアプローチしますが、運転席側からでは頭上斜めの方向に飛行機のドアがあって視界も悪いです。

ボーイング737やエアバス320などの小型機は飛行機の車体が低く、装着の感覚が掴みやすいですが、航空機のエンジンが近いのでドア一点集中するとエンジンに衝突する恐れがあります。
みのる
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ボーイング767・777は、エントリードアからエンジンが離れていますが、車体の高さがある為ドア中心に装着するのが難しいです。

飛行機にタラップ車を装着後は必ずアウトリガーを張ります

アウトリガーを張りだす装置は、運転席の中にある操作パネルもしくは、外側に付随するコントロールボックスにあり、張り出し後は必ず確認します。

タラップ車後方から階段で荷台に上り、飛行機のドアとタラップ車に隙間の確認後、雨除けのキャノピーを覆いCAの合図にてエントリードアオープンを実施します。

みのる
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飛行機のエントリードアの中心にタラップ車を装着できないと、飛行機のドアが完全に開けず安全な状態とは言えない為再装着の為に一度離脱しなければなりません。。

既に乗客をターミナルに送迎するリムジンバスがタラップ車に横付けされており、一度キャノピーやアウトリガーも収納しなければならず、お客様の降機を待たせるようになります。

よって、タラップ車の装着は基本的に一発勝負となります。

もし、一度アプローチして駄目と判断した場合は、咄嗟の対応ですぐに後退をして仕切り直した方が良いです。

装着の際に誘導員を配置しますが、通常誘導員は航空機とタラップ車が装着する箇所しか見ていないため、全ての判断はドライバーの責任となります。

PBBと違ってタラップ車は、飛行機に近づくと自動でスローダウンする機能がなく、誤ってアクセル強く踏んだ場合は、乗客や飛行機に事故を被る恐れがあるので、アクセルワークは特に必要です。

車いすや足腰が不自由なお客様はどうするの?

足腰が弱く、階段の上り降りが出来ないご年配の方や車イス利用の方は、タラップ車に補助椅子が備わっており、現在はエレベーター付きのタラップ車を導入するグランドハンドリング会社もあります。

みのる
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羽田空港の場合、PBBがないオープンスポットで車いすのお客様が発生した場合はPBL(パッセンジャー・ボーディング・リフター)を依頼します。

これは、リムジンバスが運営するサービスの一環で、グランドスタッフが事前にPBLの手配をして、お客様を荷台から航空機へと搭乗する方法です。

車いすのお客様はPBLの荷台に乗り込み、飛行機の高さまで上昇後にグランドハンドリングスタッフがエントリードアをオープンして、グランドスタッフが席まで車いすケアをします。

 

PBLの仕組みはグラハンが使用するフードローダー車と同じ仕組みです。詳しい内容は以下を参照ください↓

 

PBLが発生時のグラハンの役割は、エントリードアオープン・クローズだけで、PBLの車両装着や高さ調整はリムジンバスの運転手が行います。

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タラップ車走行時の注意点

 

タラップ車の写真

タラップ車は高さがある車両のため、空港に基づいたルールを把握する必要があります。

例えば、PBB下を走行時は高さ3.8m以下の車両のみ通過することができず、タラップ車の場合は高さ3.8m以上の車両なので迂回しなくてはなりません。

過去に非自走式の3.8m以上のタラップを牽引するトーイング・トラクターが、PBB下を通過して固定橋にぶつけるアクシデントがありました。

幸い怪我人はいませんでしたが器物損壊や運転過失により、グラハン作業者は当面運転停止となりました。

多くの空港ではPBBだけでなく、トンネルやターミナル間を結ぶ陸橋も、タラップ車の走行が禁止のため、他の車両と比較してタラップは制限があります。

グラハンの場合、一日に様々な車両に乗る機会があるので集中力がない状態や、急いでいる時など普通の乗用車に乗る気持ちで車両に乗り込むと事故の発生率が高まります。

みのる
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私もタラップ車を運転して何度も航空機に装着、離脱、走行経験がありますが、他の車両に比べると規定項目が多いので緊張感ありました。

幸い大きな事故の発生はありませんが、車体も特殊な形状で重量もあってバランスも悪いので、急カーブ時などは常に注意して運転する必要があります。

危険な車両ですがタラップ車を熟知すると、技術も増して様々な作業を任せられる作業員として周りからも信頼を得られます。

しかし経験上、慣れた時こそ特に引き締めるべきなので、常に緊張感をもって操作することが特に求められる車両になります。

まとめ

今回は、飛行機に装着する階段付きタラップ車徹底解説!現役GHが解説する操作方法についてお伝えします。

  • 飛行機には沢山の機種があるけど、タラップ車の高さ調整ってどのように行うの?
  • タラップ車で足が不自由なお客様がいて、階段を乗り降り出来ない方がいたらどうするの?
  • タラップ車の運転は他の車両に比べて簡単なの?
みのる
みのる

結論を言います!

  • 小型機から大型機まで多種ある飛行機に対応できるように、タラップ車にはPBBと同様にボタン一つで高さ調整を自動で行える装置があります。
  • タラップ車にはエスカレーターが付随されており、足が不自由で階段を乗り降りできないお客様がいた場合に使用します。
  • 運転操作は車体が大きく重量もあるので、注意しなければならない点も多く、他の車両と比較するとお客様が関わる車両なので上級クラスの機材です。

タラップ車はお客様が搭乗・降機するための機材で、自走式と非自走式の2種類があり自走式の操作には大型免許が必要となります。

もし、グランドハンドリングスタッフを目指すのであれば事前に大型免許を取得したほうが就職枠も広がるので獲得することをおススメします。

大型免許の他にけん引免許もあると、グラハンで必要な大まかな免許が揃って色んな作業に従事することができます。

大型免許・けん引免許を取得する!

 

タラップ車は大きい分、飛行機装着の際はエントリードア一点のみ目視するだけでなく、全体を確認しながらエントリードアへとアプローチを行います。

グラハンの中では上級クラスの車両機材となり、社内資格認定後も常に初心の気持ちで操作しないと事故に繋がる恐れが高い機材です。

みのる
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失敗を許す事ができない分、取り扱うことが困難な車両ですが、一人前のグラハンを目指す方は是非取得を目指して下さい。

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