飛行機に装着する階段付き車両はタラップ車!エスカレーターもあるって本当?

パッセンジャー・ステップ車航空業界

(この記事は2020年12月29日に更新しました)

 

こんにちは、みのるです。

 

今回は、お客様が搭乗・降機で使用するタラップ車(パッセンジャー・ステップ車)についてお伝えします。

 

タラップ車は、通常PBB(パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ)が無い駐機場で使用し、自走式・非自走式の2種類があります。

 

 

・タラップ車で、足が不自由で階段を乗り降りできないお客様がいたらどうするの?

・飛行機の機種が沢山あるけど、タラップ車の高さ調整ってどんなふうに行うの?

・タラップ車の運転は、他の車両に比べて簡単なの?

 

など、タラップ車のことを知ると、他にも疑問点が浮かんできますよね??

私もグラハンとして、タラップ車を自分で運転するまでは、知らないことだらけでした。。

 

 

簡単に言うと・・・・

 

タラップ車にはエスカレーターが付随されており、足が不自由で階段を乗り降りできないお客様がいた場合に使用します。

 

小型機から大型機まで多種ある飛行機に対応できるように、PBBと同様にボタン一つで高さ調整を自動で行えます。

 

運転操作は車体が大きく重量もあるので、注意しなければならない点も多く、他の車両と比較するとお客様が関わる車両の為、上級クラスの機材です。

 

 

この記事ではグランドハンドリング経験10年以上の私が、実際にタラップ車を運転した経験を下に

 

・空港にあるタラップ車(パッセンジャー・ステップ車)の概要

・旅客機にタラップ車を装着する上の注意点

・タラップ車で走行する時の注意点

 

について、解説します。

 

PBBの内容につきましては、空港のPBB(パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ)操作の仕方!をご参照ください。

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空港のタラップ車(パッセンジャー・ステップ車)概要

 

パッセンジャー・ステップ車

グランドハンドリング会社によってタラップ車の呼び方が異なり、パッセンジャー・ステップ車とも言われてます。

 

そもそもタラップはオランダ語で、 英語圏ではramp(ランプ)と言えれ、飛行機に搭乗・降機するために架設された構造物です。

パッセンジャー・ステップ車自走式タラップ車

 

タラップ非自走式タラップ

 

運転には大型免許が必要で、PBBと同様に飛行機の機種ごとに資格分けがされており、基本的にPBBのない駐機場では、タラップ車を使用します。

 

 

他の車両機材のベルトローダー車、ラバトリー車、ウォーター車と比較すると、タラップ車は運転操作の難易度は高いです。

 

その理由は、シンプルに直接お客さまが関わる車両機材の為、ミスが許されないからです。

 

 

私が新人の頃、お世話になったベテラン先輩が飛行機にタラップ車装着後、アウトリガーを失脚し、お客様が機内から降機中に、すごく揺れた現象があったと聞いたことがあります。

※アウトリガーとは、多くの乗客がタラップ車を通じて搭乗・降機をする為、車体が横転をしないように安定性を施すための装置です。

 

このアウトリガーを失脚すると、乗客の重さに車体が耐えられず左右に動いてしまい、お客様が足をとられる恐れや、タラップ車自体が転倒する恐れがあります。

 

幸いにも事故や負傷者が発生しなかったですが、重大インシデントレポートになってしまい、担当した作業員は責任を取って、タラップ車の資格がはく奪となりました。

 

 

自走式タラップ車は、飛行機の機種毎に対応できるよう、プリセット(高さ調整)ボタンで自動設定する機能が備わってます。

 

足腰が弱く、階段の上り降りが出来ないご年配の方や車イス利用の方は、タラップ車に補助椅子が備わっており、お客様を昇降することが出来ます。

 

お客様の車イスの種類については羽田空港で働くグランドスタッフの仕事内容!車いすの種類から業務をわかりやすく解説を参照いただければと思います。

 

 

自走式と非自走式の2種類があり、社内資格を所持しない作業員でも非自走式の場合は取り扱いが可能です。

しかし、トーイングトラクター(TT)で非自走式のタラップ車を牽引する時は、会社によって判断が異なります。

非自走タラップ車非自走式タラップ

 

では、実際に飛行機にタラップ車を装着する時の注意点を次に説明します。

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旅客機にタラップ車を装着する上での注意点

 

パッセンジャー・ステップ車

飛行機が駐機場に到着後、飛行機のエントリードアへ向けてタラップ車をアプローチしますが、運転席側からでは頭上斜めの方向にドアがあって、視界も悪くわかりづらいです。

 

ボーイング737やエアバス320などは、飛行機の車体が低く、装着の感覚が掴みやすいですが、航空機のエンジンが近く、ドアだけ一点集中すると別の場所にぶつけます。

逆にボーイング767や777は、エントリードアからエンジンが離れていますが、その分車体の高さがあり、ドア中心に装着するのが難しいです。

 

 

飛行機にタラップ車を装着後は、必ずアウトリガーを張る必要があります

 

 

アウトリガーを張りだす装置は、運転席の中にある操作パネルか、外側に付随するコントロールボックスにあり、張り出し後は必ず自分の目で張ったか確かめます。

 

 

その後、タラップ車後方から階段で上り、飛行機のドアとタラップ車に隙間がないかを見直し、雨除けのキャノピーを覆い、CAの合図を確認しドアオープンを実施します。

 

もし、タラップ車をドアの中心に装着できないと、飛行機のドアが完全に開けず、安全な状態とは言えない為再装着をする為に一度離脱をしなければなりません。

 

既に乗客をターミナルに送迎するリムジンバスも、タラップ車に装着していたり、キャノピーやアウトリガーも収納しなければならず、降機を待たせる結果となります。

 

そのため、装着は基本的に一発勝負となります。

 

一度アプローチして駄目な場合は、咄嗟の判断ですぐに後退をして、仕切り直した方が良いです。

 

装着の際に誘導員を配置しますが、誘導側は航空機とステップ車が装着するポイントしか見ておらず、全ての判断はドライバーです。

 

PBBと違ってタラップ車は、飛行機に近づくと自動でスローダウンする機能はなく、誤ってアクセル強く踏んだ場合は、乗客や飛行機に損傷を被る要因となります。

 

 

続いては、タラップ車を走行する時の注意点について解説します。

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タラップ車で走行する時の注意点

 

タラップ車

羽田空港でタラップ車を走行する場合、運転技術が求められると同時に、他の車両と比べると様々な特殊規定があります。

 

例えばPBBの下を走行する時は、高さ3.8m以下の車両のみ通過できずタラップ車の場合は高さ3.8m以上の車両の為、迂回をしなくてはなりません。

 

過去の事例で、非自走式のタラップ車を牽引するトーイング・トラクターが、PBBの下を通過して固定橋にぶつけるアクシデントがありました。

 

幸い怪我人はいませんでしたが、器物損壊や運転過失により、作業者は当面運転停止となりました。

 

 

PBBだけでなく、トンネルやターミナル間を結ぶ橋も、タラップ車では走行不可能のため、他の車両と比較しても制限があります。

 

集中力がない状態や、急いでいる時などで普通の乗用車のような気持ちで、車両に乗り込んで事故の発生率がとても多いです。

 

 

私もタラップ車を運転し、何度も航空機に装着、離脱、走行経験がありますが、他の車両に比べるとやはり緊張感はありました。

 

特に大きな事故の発生はありませんが、車体も特殊な形状で、バランスも悪く重量もあるので、常に注意して運転操作をしないとミスに繋がる感じです。

 

危険な車両ではありますが、その分タラップ車を熟知すると、技術も増して様々な作業を任せられる作業員として信頼を得られます。

 

経験上、慣れた時こそ特に引き締めるべきです!

 

 

まとめ

今回は、飛行機に装着する階段付き車両はタラップ車!エスカレーターもあるって本当?について解説しました。

 

タラップ車は、お客様が搭乗・降機するための機材で、自走式と非自走式の2種類があり、自走式の操作には大型免許が必要となります。

 

車体が大きい分、飛行機装着の際は一点のみ見るだけでなく、全体を確認しながらエントリードアへとアプローチを行います。

 

グラハンの中では、上級クラスの車両機材となり、社内資格として認定後も、常に初心の気持ちで操作しないと事故に繋がる恐れがあります。

 

失敗を許す事ができない分、取り扱うことが困難な車両でもあるので、グラハンを目指す方は頑張って取得して頂きたいです。

 

この記事が、タラップ車について少しでも理解できていただければ幸いです
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