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この記事は2023年5月30日に更新しました。
パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ(PBB)の構造
空港にあるPBB(パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ)は可動橋と固定橋部分があります。
PBB先端に操作盤があり、電源ONによって電気系統が作動し、ジョイスティックコントローラーで可動橋部分が前進・後進が可能で伸縮できます。
PBBの操作盤の造りは各製造会社によって異なりますが、操作方法はほどんど一緒でジョイスティックで前進・後進を行い、ボタン配置が違うくらいです。
PBBのキャブ(先端部分)は左右に動かし、PBBを飛行機に装着直前に飛行機と隙間部分が発生しそうな場合はキャブで修正します。
飛行機にPBBを装着する時は、ジョイスティックコントローラーを緩めてゆっくり装着しないと機内にいる人に影響を与える恐れがあります。
PBBは飛行機に近づくと、PBBセンサーが感知して自動でスピードが徐行します。
PBBを飛行機に装着後、お客様が降機開始となり、機体が徐々に軽くなり自重の高さも変わるので、飛行機の高さにPBBが追従できるようにオートレベラーが組み込まれてます。
大型機(B747,B777)の場合は、前方2か所ある出入口にPBBを装着しますが、互いに接近するとセンサーが作動し最悪操作不可能となり、どちらかのPBBを一度後退する必要があります。
PBBのメーカーは様々な企業が参入している為、全ての操作が上記に当てはまりませんが、基本的な構造はほぼ同じです。
【PBBメーカー】
- 三菱重工
- BUKAKA
- 新明和工業 など
では、飛行機がスポット(駐機場)に到着までの、PBB準備方法について次に解説します。
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飛行機到着前のパッセンジャー・ボーディング・ブリッジ(PBB)準備方法
PBB周辺に作業員の有無と、ゴミや障害物がないか確認し操作盤があるPBBへと上がり、照明を点灯とお客様の降機到着動線の確保するためのシャッターまたは扉を開放させます。
到着する飛行機の機種によって高さが異なるので、あらかじめ定置だったPBBの高さを変更するためのプリセット(事前準備)を行います。
PBBの操作盤に【B737】【B767】【A320】等のボタンがあり、プリセットボタン+飛行機の機種ボタンを押すことで、高さとPBBキャブ部分が自動調整されます。
飛行機到着後にプリセットをすると、高さ調整に時間を要するので、遅くても飛行機が到着する5分前迄に準備を完了させます。
スポット(駐機場)によっては、PBBと飛行機までの距離が遠い為、事前に可動橋部分を安全範囲までを前進させておくことで、飛行機到着後すぐに装着できます。
次は、飛行機がスポットに到着して、操作・装着方法について解説します。
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パッセンジャー・ボーディング・ブリッジの操作・装着方法
飛行機がスポット(駐機場)にブロック・インすると、PBBオペレーターはジョイスティックコントローラーで、飛行機のエントリードアにアプローチし、3m手前まで接近します。
旅客数や貨物・手荷物の量に応じて、毎回機体重量がちがうので3m手前で、エントリードアに対する目測での高さ調整を手動で行います。
整備士もしくはランプコーディネーターからOK指示が出て、航空機へのエントリードアへ近づくとセンサーが感知しPBBのスピードが自動で遅くなります。
飛行機手前50㎝まで接近し、最終確認で飛行機のドアとPBBにズレがないか目視確認して装着します。
もし飛行機の入口にズレが生じた場合は、PBB操作盤にあるキャブで角度調整して装着します。
飛行機に装着後は雨除けのクロージャー(雨除けの屋根)部分をかぶせ、オートレベラーをセットして、エントリードアのオープン作業へと移ります。
エントリードアの操作方法は以下の記事を参照ください↓
PBB装着方法まとめ
- 飛行機到着後、PBBを前進させる。
- 整備士または、ランプコーディネーターの許可次第で装着する。
- 前進しつつ、高さ微調整、角度をつけて装着。
- 飛行機にPBB装着後のクロージャーを行う。
- オートレベラーをチェックし、エントリードアオープン操作。
パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ(PBB)装着の注意点
航空機の機種によって、飛行機のレドーム(鼻の近く)にピトー管が備わっており、ピトー管はとても熱を持っており、PBBのクロージャー部分が接触すると発火するま恐れがあります。
PBBだけでなく接触する航空機にも、炎が燃え移り炎上する恐れがあります。
※ピトー管は計測機器で、流入気流の静圧・全圧など、流れの速さを測定するものです。
また、エントリードアを開いた際に飛行機ドア部分がPBB下部に当たるので、飛行機とPBB下部部分にコブシ一つ分の段差を作ります。(※航空機の機種による)
続いてPBBの訓練ってどのように行うか解説します。
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パッセンジャー・ボーディング・ブリッジの操作に資格は必要?
パッセンジャー・ボーディング・ブリッジはグランドハンドリング作業の一つで、マーシャラーと同様に民間資格は必要ありません。
グランドハンドリングでは、特殊なGSE(Ground Support Equipment)の車両機材に乗車して作業を行う上で免許が必要ですが、PBB操作は免許も不要なので、誰でも訓練次第では取得できます。
しかし、マーシャリングと同様にPBBも会社が指定した座学・実機訓練をこなして社内資格を取得して独り立ちとなります。
では、パッセンジャー・ボーディング・ブリッジの資格取得にはどういった訓練をするか次に解説します。
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パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ(PBB)の訓練
PBB操作は免許・資格は不要で、訓練では飛行機がいないスポットで、ベルトローダー車・ハイリフトローダー車を使用して装着練習を行い、慣れてくると実機で訓練を行います。
ベルトローダー車・ハイリフトローダー車については以下の記事を参照ください↓
飛行機を使用した実機練習は、飛行機が翌朝まで出発しないオーバーステイ時に練習を行い、教官の下で操作と感覚をひたすら身に着ける練習を行います。
PBBの資格は飛行機の機種毎に異なるため、1機種一つずつ確実にマスターしていきます。
私の場合、最初にB767の訓練が始まり次にB737でしたが中型機と小型機では飛行機の構造も異なるので、ひたすら感覚を強化するための装着⇔離脱の繰り返し練習でした。
会社によって始める機種は違うので、取り扱いハンドリング会社の規定によるPBB操作の訓練を行います。
まとめ
今回は、空港のPBB(パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ)の構造や操作方法について解説をしました。
グラハン歴10年の経験と実際にPBBを操作したことがある私が結論をいいます!
- PBBは可動橋と固定橋があり操作盤電源をON後、ジョイスティックレバーで可動橋部分が動作し飛行機のドアにアプローチします。
- 大型機・小型機では飛行機の高さが違うので、飛行機が到着前にプリセットを行うことで高さ調整を行えますが手動でも可能です。
- PBBによる免許は資格は不要ですが、車両と同様に社内訓練が必要です。
PBBはパッセンジャー・ボーディング・ブリッジの略で、出発搭乗口改札後に飛行機へと続く搭乗橋とも言われ、グラハンの作業員が装着・離脱を行います。
装着後は必ずクロージャー・オートレベラーを設定し、飛行機の入り口に合わせ追従措置をしないと段差が生じ、降機中断となる恐れとなります。
グラハンを目指す方やPBBの操作や構造について、少しでもお役に立てれば幸いです
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