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ASU(エアー・スターター・ユニット)とは
航空機のエンジン始動は、通常APU(補助動力装置)から供給される高圧空気によって行われます。
もし、APUが故障した場合外部から高圧空気を供給しなければいけません。
そのような場合、ASUの出番です。
基本的に、高圧空気を取り扱う作業の為、非常に危険な作業の為整備作業となりますが、一部のグランドハンドリング会社でも作業を行っている所もあります。
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ガスタービン・エンジン
高温高圧空気を作るために、ガスタービン・エンジンが自走式車両の場合だと搭載されており、排気口は車両外部の上向きに取り付けられております。
ガスタービン・エンジンとは、圧縮機で空気を圧縮し、燃焼ガスから得ている燃焼ガスのエネルギーを膨張・排気し、得られた高温高圧のガスタービンを回して推力を得る方式のエンジンのことです。
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ASU作業の流れ
航空機の機種によって自走式ASUをとめる位置が異なるため、航空機に支障をきたさない場所に駐車しなければなりません。
駐車後はチョークを施し、ASUの高温高圧ホースの遮断弁が閉鎖を確認後、ガスタービン・エンジンを始動させます。
この時、始動音はもの凄く騒音で、耳栓もしくはイヤーマフを身につけないと、難聴や耳に異変を醸すぐらいの大きな音が鳴り響きます。
始動すると同時に、ASUに付帯のインジケーターが高温と圧力が一定の数値迄上昇していることを確認をします。
ASU側の準備は完了となり、機体側の受け口となるアクセス・パネルをオープンして高温高圧ホースをシップの受け口へと接続させます。
整備士もしくは現場責任者の元、ASU側の高温高圧ホースの遮断弁を開いて、機体に高温高圧空気が供給開始となります。
供給合図サインを整備士に送り、機体のエンジンが稼働するまで常時監視をする。
エンジン始動後は、ASUの遮断弁を封鎖し、供給ホースを取り外し、機体のアクセス・パネルを閉じて完了となります。
供給用ホースやガスタービン・エンジンを停止させ、プッシュバックが速やかに実施できるようにASUを離脱させて完了となります。
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ASU作業時の注意点
ASU側の高温高圧ホースと航空機に接続する時は、エアコンのホースを装着すると同様にホース自体にねじれがないように直線的に装着しなければなりません。(エアコン供給サービスと一緒)
特に重要なポイントは、ホース部分と受け口に装着する金具部分が、確実に指定された位置に噛み合っていない状態の場合、機体側から金具が外れた場合は、地上作業者に負傷を与えることによって、重大インシデントレポートという扱いになってしまいます。
一度噛み合った事を確認後に、ダブルチェックを実施し、確実に装着されていて、外れないかの有無を確認は必然的に必須となります。
エアコン供給の内容につきましてこちらを参照下さい↓
私の経験談
APUが不具合で故障することを、APUアウト言います。
実際にAPUアウト事態が稀で、ASUを使用した作業は数回程度しか経験がありません。
以前は、作業の手順を間違えると作業員に怪我を負わせる恐れがあるので、メインで整備士がASU作業を行っておりました。
仮に、実践で作業を行っても、次回までに日数が経過してしまい、発生時はアンチョコをもって作業をやりました。
初めて作業を行ったときは、強烈な音で耳が痛く、その場から離れたくなるくらいの辛さと、ASUには様々なボタンが備えられているので、ミスしないように恐れながらスイッチボタンを操作を行っていました。
経験回数はそこまで豊富ではありませんが、一つの経験として触れることができ、知識として蓄える事が出来ました。
ASUを使用する機会があれば、この記事を参考にしていただければ幸いです。
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