グランドハンドリングスタッフが経験するイレギュラー出来事を現役グラハンが解説

航空業界

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この記事は2023年5月30日に更新しました。

グランドハンドリングスタッフが遭遇するイレギュラー

今回はグラハンの作業時に、通常とは違う出来事=イレギュラー状況についてお伝えしたいと思います。

通常グランドハンドリングではルーティンワークで、航空機がスケジュールに則った時間に到着し、次の出発時間までに業務を完了させて定時運航に務める事が、エアラインに務めている人の定義です。

到着便から出発便の便間時間は最少40分。この40分の中で下記の作業を全て終わらせる必要があります。

・PBBの装着

・GPU接続

・カーゴ・ドアオープン

・GSE機材の装着

・搭載荷物&貨物の取り卸し

・バゲージ返却作業

・到着貨物の搬入

・機内のドリンク交換

・航空機にトーバー、タグ車の装着

・出発貨物搬送&搭載

・出発バゲージ搬送&搭載

・ゲートバゲージの有無

・GSE機材の離脱

・オール・ドアクローズ

・PBB離脱

・プッシュバック

・お見送り

これらが一般的な流れになりますが、ULDの台数やバルクカーゴに手荷物が多い時も作業時間以内に終わらせなければ顧客満足度につなげる事はできません。

ここからはよくあるイレギュラ-について紹介します。

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出発貨物分のカット時間遅れ

出発時間の1時間前に、貨物の受付はカットされてドーリーの上にコンテナが乗られて、直ぐに搬送できる状態が通常の流れです。

しかし、貨物作業を行っている上屋業者は、航空機のACL(Allowable Cabin Load)許容搭載重量が規定内に収まってないといけません。

ACLは客室に搭乗するPAX,貨物室に搭載できる最大重量のことで、これをオーバーしてしまうと安全運航に支障が出てしまう為です。

優先的にPAX、預け荷物、貨物となる為、出発寸前まで貨物ULDを搭載スタンバイの指示があります。

これをACLスタンバイと言います。

この重量計算によって出発分のLDシートが発行されず、酷い時は出発の40分前になっても受け取る事ができません。

その為、ランプコントローラーが現在のULD台数や搭載ポジションのデータで確認することでき、必要最低牽引人数と、LDシートのみをデリバリーする要員を配置させます。

ロードマスターにLDシートを直ぐに手渡せることにより、カーゴルーム内で使用するストッパーを事前にセットアップできるので、少しの時間も浮かせる為でもあります。

ULD台数が少なければ、搭載時間はかかりませんが、FULL搭載の場合は時間を要してしまうのが現状の為、次の作業を先読みしないと余計なロスタイムに繋がります。

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出発手荷物分のカット時間

出発時間の15分前に、チェックインカウンターをクローズします。同時にバゲージカット時間となります。

全てのバゲージが個数が当たると、ソーティング担当者から手荷物搭載表を受け取るのですが、チェックインカウンターがカットしない限り、バゲージが延々と発生します。

出発時間の間際になると、PAXがカウンターにSHOW UP(到着する)傾向があり、1組だけでなく、3組4組と一度に押し寄せる時があります。

こうなるとバゲージカット時間が遅れてしまいます。

15分前に手荷物搭載表を受け取る事が出来れば、余裕をもって作業に励むことが出来ますが、バルク分に搭載するバゲージの量や出発10分前になってもカットしない場合は、搭載に時間を要する為、別の人員を手配します。

こうすることで、残り10分でも搬送と搭載に生じる時間を考慮しても、時間に余裕が生まれて、別の人員が搬送する残り少ないバゲージと手荷物搭載表を受け取る事で定時運航に務めることが出来ます。

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その他のイレギュラー

その他にも多様なイレギュラーが発生する機会があります。

・GTB、ATB

・ミスコネクションバゲージの対応

・ダメージバゲージの対応

・GSE機材の不具合

・悪天候によるハンドリング作業

・到着便でペットが死んでいた・・・( ノД`)シクシク…

・天地無用のシールが至る所に貼ってある。(天地無用とは、上下をさかさまにしてはいけないこと。)

など、普段起こらない問題があらゆる発生します。

まとめ

作業をする中で、イレギュラーは正直つきものです。特にグランドハンドリングとして働いている方は、危険が多い場所でもあります。

長い経験年数の方だってヒューマンエラーを起こします。基礎がしっかりできなければイレギュラー対応ができるはずがありません。

歴代の先輩方から培った作業を順守しなければ自分の身も危ないと思ってください。

【あたり前の事を、馬鹿にせず、しっかりやる】=ABCの法則

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