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この記事は2023年5月30日に更新しました。
空港のベルトコンベア裏側のソーティング作業とは?
ソーディング作業とはお客様がチェックインカウンターで預けた荷物をベルトコンベアで移動して行先路線ごとに仕分けすることです。
平日と休日及び繁忙期では預け荷物の量が異なり、一人の作業員が半日作業した場合では大まかな目安は以下の通りです。
- 平日:約500個以上
- 休日:約1,000個以上
- 繁忙期:約1,500個以上
コンテナに搭載できる手荷物の許容量にも限度があり、コンテナにも沢山のタイプが存在し大きさや形状が異なります。
コンテナの種類 | 許容範囲 | 写真 |
LD-3 | スーツケースが約50個収納可能 | |
LD-4 | スーツケースが約80個収納可能 | |
LD-8 | スーツケースが約100個収納可能 |
預けたバゲージ(手荷物)にグランドスタッフが発行する手荷物タグを取り付け後、ソーティング場へと続くベルトコンベアーに乗せられます。
手荷物タグが手荷物から剥がれると一度チェックインカウンターに送りなおす必要があり、国際線の場合だと、ロストバゲージに繋がる恐れとなります。
ロストバゲージに関しては下記の記事を参照ください↓
私もソーティング担当した際に、手荷物タグが切れて所有者がわからなくなったことがありますが、その度にグランドスタッフに連絡して
ソーティング作業担当はベルトコンベアー上に流れてくるお客様の預け荷物を、行先と便名を確認し指定されたコンテナまたはカートに搭載します。
飛行機の中型機や大型機ではコンテナを直に搭載できますが、小型機などはコンテナから荷物をバラして、預かった荷物を直接機内に搭載します。
コンテナ搭載及びバラ積み搭載については、下記の記事をご参照ください↓
手荷物のみの仕分けなら簡単ですが、ソーティング作業を行うと危険物が発生したり、ベルトコンベアに荷物が引っ掛けるなど、様々なイレギュラーの発生が生じます。
出発時間までに仕分け作業が間に合わないと、遅延の要因となり顧客満足度にも響くため、迅速且つ丁寧に仕分けをしなければなりません。
大手のANAやJALは、便数も多くソーター要員も多いですが、基本的に1便に対しソーター1名が担当して完結させます。
ソーターが荷物仕分け量が多いのに誤搭載をしない理由
従来ではベルトコンベアから流れてくる全ての手荷物に対し、手荷物タグに付随するシールをはがして個数管理リストに貼って、数の把握をしてました。
当時はシールのはがし忘れが多かった故に、実際のコンテナに搭載した手荷物と個数リストのシール数がアンマッチしたせいで、誤搭載や未搭載が多かったです。
私も剥がし忘れをしたことがあり、上司に怒られたことが何回かありました。
現在は、シールをはがさずにバーコードリーダーを使用します。
バゲージタグにあるバーコードタグを読み取ることで、モニター管理画面に時間の記録と個数が反映されて、ヒューマンエラーもなくなりました。
もしソーティングエリアから出た個数と、航空機のカーゴルームで個数を数えた時にアンマッチなら、その場で個数のリカウントとなるので、個数のカウントは一人一人がしっかり実施します。
取り扱い注意の手荷物 ~プライオリティバゲージ・スペシャルバゲージ~
一般手荷物以外の他に上級ステータスを所持したお客様は、プライオリティタグもしくはVIPタグがバゲージについております。
また、一般のお客様の荷物と同時にプライオリティ・VIP手荷物を返却するとお客様からクレーム原因となります。
プライオリティ・VIPのような優先荷物以外にも、コネクションバゲージ(社便からの乗り継ぎ)もあります。
他社便の荷物を誤って受託し、別便に誤搭載したら大変な事態になるので、時間と便名と行先の確認はマストです。
乗り継ぎ便の手荷物はベルトコンベアからではなく、乗り継ぎ便担当スタッフがソーティングエリアに搬送し、間違いないか確認後に受託します。
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空港のベルトコンベアーに流せない荷物の処理
空港のベルトコンベアーに乗せる事が出来ない手荷物は以下の物です。
- ペット
- スノーボード版・スキー板
- 車イス
- サーフボード
- ベビーカー
- 模擬刀 など
これらのバゲージは、長尺(ちょうじゃく)と言う一直線上のベルトコンベアーから、グランドスタッフによって直接受け渡しをします。
どの空港でも、チェックインカウンターから流れるベルトコンベアーは、ソーティング場に辿り着くまで距離が長く曲線も多いので、車いすやスノーボード版などは途中で詰まったり破損する原因となります。
ちなみに、私が到着した飛行機からペットを降ろそうと確認した時、既に息を引き取った猫を見たことがあります((+_+))
もし、大事なペットに少しでも不安を軽減したいなら、実績あるペットクレートオススメします。
ソフトタイプで折り畳み式になるので、旅行に行った際もカバンに収納することができます。
車イスやベビーストローラーは、お客様が到着空港で直ぐに使用できるよう、搭載時はドアサイド(貨物室のドア側)に置きます。
優先タグ・車いす・ベビーストローラーがある場合、一時的に仮保管して出発時間直前にコンテナ等に搭載します。
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荷物から危険物が出た場合のソーター対応
上記以外に預けた荷物の中からマッチや液体バッテリー、花火などの危険物が発生した場合は、グランドスタッフから連絡が来て長尺から返却します。
預け荷物の検査を行う保安検査員が、該当便のグランドスタッフに連絡が入り荷物の開披(かいひ)検査を実施するために確認をします。
詳しい内容につきましては以下の記事をご参照ください↓
減数を失脚すると最終確認時と個数が異なり、遅延に繋がる恐れがあります。
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空港のソーティングエリアでの注意点
ソーティングエリアの中は見通しが悪く、一方通行で狭い通路の他、一部天井が低い場所もあるので、車高が高い車両は通過できない箇所もあります。
飛行機が到着遅延して出発時間までの時間がないと、慌てて超過スピードを出して走行する車両もいます。
羽田空港のソーティングエリアは数か所あり、出発便の荷物仕分けを行ったり、到着便の荷物を返却など、作業員及び車両が非常に多いです。
ソーティングエリア作業員をはじめ、搬送担当者は自分の身を守るためにも、お互いに配慮しなければ怪我や事故に繋がります。
狭くて見通しの悪いエリアだからこそ、一人一人が注意しなければいけません。
ソーティング作業員になるにはどうすればよいの?
ソーティング作業員は特別資格等は必要ありません。
会社内で実施する訓練や座学を受講し、担当教官の下で作業の流れを教わりながら独り立ちを目指します。
ソーティング作業員にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
【メリット】
- 飛行機の近くで働ける。
- 荷物の積み方がとても上手くなる。
- 空港の3レターを覚える。
- 雨の日でも濡れずに作業が出来る。
- 筋肉がつく。
- 男女比率同等で若い世代に人気の仕事。
【デメリット】
- 作業内容がルーティン。
- 仕分けする荷物の量がとても多く肉体労働。
- 荷物を扱う機会が多いので腰痛やヘルニアになる可能性が高い。
どの仕事にもメリット・デメリットはありますが、もしソーティング作業に興味ある方は以下からエントリーしてみてください。
まとめ
今回は、空港のベルトコンベア裏側のソーティングエリアではどんな仕事をしているの?について解説しました。
結論を言います!
チェックインカウンターで預けた荷物は、ベルトコンベアを通じてソーティングエリアへと搬入されます。
ソーティング作業は預け荷物を行先毎に確実に搭載し、通常荷物以外に到着地で直ぐ返却出来るように、ドアサイドバゲージやステータスの高い手荷物等を特に着目しなければなりません。
荷物の量が多い理由でも未搭載や誤搭載をすることは許されず、簡単な作業に思われるが責任のある業務に違いありません。
ソーティング作業をやる方は経験と回数を踏めば、積み方も自然と上手くなっていきます。
ソーティングエリアでは、時間がないと慌ててしまうことで事故の要因になるので、落ち着いて行動し、自分の身を守る上でまずは安全第一を心がける事が大切です。
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