この記事は2023年5月30日に更新しました。
こんにちは。みのるです。
みなさんは、飛行機に搭乗する際に、自分の預けた荷物がどのように搭載されているかご存知ですか?
飛行機に手荷物や貨物を搭降載(とうこうさい)する方法は大きく分けて2種類あります。
- コンテナ搭載
- バラ積み搭載
コンテナ搭載につきましては下記の記事を参照ください↓
「バラ積み搭載って何?」
「グランドハンドリングスタッフが気をつけるバラ積み搭載の注意点は?」
「荷物が多い時に貨物室に荷物が収まりきれない時ってあるの?」
など、バラ積み搭載方法や手荷物を取り扱いの仕方について、どのように行っているか疑問に思ったことありませんか?
私が子供の頃チェックインで預けた荷物が、ベルトコンベアを通じてどこに流れるのか幼稚に思ったことがあります。
結論からお伝えすると・・・
バラ積み搭載とは、手荷物・貨物を収納するバルク室に直で搭載する方法で、多い時は100個以上搭載をします。
個数が多いと、下に敷き詰められた荷物が重さに耐えられず損傷をきたすので、基本的に重い物や頑丈な荷物を下に置き、お土産袋やショルダーバッグなど軽い物は上に置きます。
繁忙期の修学旅行生や部活の遠征によるグループ団体だと、200個以上の手荷物がはっせいし、バラ積みで搭載することもあります。
この記事では、長年グランドハンドリングスタッフとして、A320・B737・B767のバラ積み搭載を経験してきた私が
について解説します。
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飛行機の貨物室による荷物の積み方 バラ積み搭載法
バラ積み搭載とは、コンテナ搭載が不可能な飛行機に対し、預かった荷物をバルクカーゴ室にバラ(直)で搭載することです。
バラ積みは英語でバルクという意味で、バラ積みで搭載する手荷物は基本バルク室へと搭載されます。
飛行機の貨物室は3つ
旅客機には基本的に3種類の貨物室あり、搭載方法も決まっております。
- フォワードカーゴ室 (コンテナ搭載)
- アフターカーゴ室 (コンテナ搭載)
- バルクカーゴ室 (バラ積み搭載)
基本的にバラ積み搭載は、バルクカーゴ室となります。
飛行機にはコンテナ搭載できる機能PDU(パワードライブユニット)が備わってますが、一部の小型機(ボーイング737など)は、PDUが無いのでコンテナ搭載が不可能です。
コンテナ搭載が出来ない場合は、フォワード・アフターカーゴルームを使用して、バラ積み搭載で預け手荷物を搭載します。
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バラ積み搭載はベルトローダー車を使用
飛行機がスポット(駐機場)に到着し、バルクカーゴルームにある荷物をベルトローダー車を通じて、搬送用の車両やコンテナ・カートに搭載します。
反対に出発時は、荷物が搬送された車両からベルトローダー車を通じて、バルクカーゴ室へとバラ積み搭載します。
どの航空機の機種も地上からバルク室まで高さがあり、荷物を持ち上げて搭載は大変なのでベルトローダー車を使用します。
ビジネスジェットの航空機は、地上からカーゴ室まで高さが比較的低いのでベルトローダー車を使用せずに直接バルク室から地上の作業員へと手渡します。
ビジネスジェットのハンドリングに関しては下記の記事を参照ください↓
実際にバラ積み搭載をする時に、注意しなければならない点とコツを次に説明させていただきます。
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バルクカーゴ室にバラ積み搭載時の注意点
飛行機出発後に荷物の積み忘れがあった場合、責任者は始末書の提出を求められる他、お客様に多大なるご迷惑をかけることになり、ディレイドロストバゲージとなります。
会社側としても信用性が失われて、大きな損害を被られます。
そのため、グランドハンドリングスタッフの搭載作業に携わる作業員は個数を数える必要があります。
次々にベルトローダーを通じて流れてくる手荷物・貨物を素早く搭載し、個数も把握しなければならないので、迅速な対応力と判断力が求められます。
飛行機のバルクカーゴルームに搭載時のコツ
バラ積み搭載する作業員で注意しなければならないことは、重い物は下に積み、軽い物は上に搭載するように心掛けます。
お客様が預ける手荷物は到着時に支障をきたす恐れのある物が多々入っております。
- 破損しやすい物
- 中に入っている液体物
- 食料品 など
バラ積み搭載はバルク室で基本的に2人で搭載を行い、1人が積み付けで、もう1人が荷物を積み付けする人に手荷物を手渡すアシストをします。
作業員の積み付け搭載が遅いと、ベルトローダーで次々に流れる荷物を取り扱うことが出来ず、作業が停止します。
出発時刻まで時間がないと、グランドハンドリングスタッフによる遅延に繋がる恐れがあるので、スムーズにやらないと定時性に大きく響きます。
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バラ積み搭載中に手荷物個数が不一致になった場合
預け荷物を行先毎に仕分けするソーティング場から出た個数と、飛行機に荷物を搭載時に個数が合わない時は、リカウントして個数の数え直しを行います。
先にも触れましたが、バラ積み搭載をする際は基本的に作業員2人で行うため、積み付けと同時に個数をカウントしながら搭載します。
作業員によっては途中個数カウントを失脚したり、数え間違えが起きるので、積み忘れが無いようリカウントを実施します。
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飛行機のバルクカーゴ室に預け荷物が収まらない場合
預け荷物が大量に発生時は最大限収納に励みますが、バルクカーゴ室から荷物が溢れる場合は、別のカーゴ室に搭載します。
この場合、飛行機の重心を計算するロードコントローラーに連絡して、他のカーゴルームに搭載可能か連絡します。
事前に貨物が搭載されていた場合は、貨物を取り下ろして手荷物を優先搭載することが多いです。
飛行機に影響を及ぼさない程度なら別のカーゴルームに搭載できますが、ウエイト&バランスに影響する場合は、搭乗者の座席を変更してもらうなど、協力依頼を求めることがあります。
実際に荷物が大量で、別のカーゴルームに搭載するといった事案は滅多にありません。
次はバラ積み搭載はきついと言われる中で、実際の真相について詳しくお伝えします。
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【私の経験談】バルク室のバラ積み搭載は大変なの?
私自身バラ積み搭載を沢山経験しましたが、体に負担が掛かりやすく、特に腰が弱い方だと腰痛になりやすく非常に大変です。
バラ積み搭載の影響で私自身腰痛持ちではなかったのですが、手荷物を50個以上取り扱った直後は首の痛みや腰痛などの違和感を覚える日が徐々に多くなりました。
バラ積み搭載が原因で多くの作業員が腰や首のヘルニアを犯し、医者からは重い荷物を持たぬように勧告された方も沢山います。
そのため、極力腰に影響を与えないやり方で作業をしなければなりません。
その方法は後に解説しますね。
夏の季節は手荷物量が多く、バルク室も非常に暑いので熱中症に注意しないと脱水症状となる原因になるので、自己管理能力が非常に求められます。
バラ積み搭載が上手くできない日々の連続
私が新人の頃、ベルトローダーから次々に流れてくる手荷物を綺麗・丁寧・素早く搭載ができず、上司に怒られる毎日でした。
頭では理解できても体の反応が追い付かず、途中重い荷物や軽い荷物混合に流れてきて、パニック状態に陥ってしまうことが多々ありました、
私の上司によく言われた言葉が習うより慣れろ!!でした。
回数を重ねて自分の体で覚えるようにアドバイスをいただき、何度も繰り返しながら改善を深めていきました。
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バラ積み搭載が苦手な私の改善方法
誰よりも不器用な私が取った方法は、先輩方の見本をひたすら見学し、何度も挑戦したことでした。
上手な先輩のバラ積み搭載をしっかり観察し、苦手を克服する為に実践を繰り返し方法する以外ない思いました。
バラ積み搭載を初めて約半年後…
気づけば手荷物100個以上流れてきても、綺麗に搭載できる自信がつくようになってました。
綺麗に搭載する要領はつかめましたが、なにがきっかけと上手くなったと聞かれたら、明確には答えられません。
身体が重い物は下、軽い物は上など、咄嗟に判断できるようになったのです。
元上司から言われた【習うより慣れろ】が、知らない間に自分を成長させてくれたのかもしれません。
次は、バラ積み搭載で発生する腰痛やヘルニアにならない為の予防法について解説します。
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グランドハンドリングスタッフが実践する腰痛予防
中腰姿勢で荷物の取り扱いは、重い荷物を持てば持つほど腰に負担が圧し掛かり、ヘルニアになる恐れが高まります。
そのため、重い荷物を持ち運びする際は、普段から意識して予防に努める行動が重要で、やり方はとても簡単です。
しかし、両膝もしくは片膝を地面につけることで、腰への負担を緩和することができ、搭載完了後の違いもはっきり感じることができます。
グランドハンドリングスタッフ愛用する腰痛予防サポーターグッズ
ご年配の方や腰痛持ちの方は、腰痛サポーターやコルセットといった物を使ってケアをしております。
私の同僚が以前使用してたサポーターを2点をご紹介します。
1つ目は、柔道整復師が考えたサポートベルトです。
他のサポーターと比較するとお値段は高めですが、国家資格所有者の柔道整復師が作成したサポートベルトなので、あなたの腰をサポートしてくれます。
2つ目は、市販用の 腰保護コルセットです。
汗をかきやすい方には、通気性が弱く肌荒れを起こす可能性があります。
それ以外は、伸縮性もあって丈夫なので、多くのユーザーが利用しておりコスパも良いです。
まとめ
今回は、【手荷物搭降載】飛行機の貨物室に預け荷物搭載するバラ積み搭載法について解説しました。
バラ積み搭載の基本は、重い物は下に置き、軽い物やお土産物は上に搭載し、個数の把握を徹底することが基本となります。
最初は上手く搭載ができませんが、経験と回数をこなすことで自然と上達していきます。
バラ積み搭載は腰に負担がかかるので、片膝を地面につけることで、腰痛から回避ができます。
自信がない方は、サポーターを使用してご自身のケアを積極的に行ってください。
腰痛やヘルニアを発生してからでは既に手遅れなので、毎日気にかけることを忘れずにしましょう。
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