スポンサーリンク
この記事は2023年5月30日に更新しました。
飛行機搭乗口ドアの正式名称って何?
飛行機前方左から順にL1(Leftドア)L2、L3、L4と言い、右側をR1(Rightドア)R2、R3、R4の順となります。
お客様や乗務員などは、基本的に前方左ドアから搭乗・降機を行いますが、海外だと後方のドアも開閉し搭乗・降機を行います。
エントリードア以外に預け荷物や貨物が搭載される、フォワード・アフターカーゴルーム及び、バルクカーゴルームは比較的簡単にドア開閉できます。
フードローダー車については下記の内容をご参照ください↓
飛行機のエントリードアタイプは機種によってオープン・クローズの仕方が異なるので、機種ごとに会社が定める社内資格を取得します。
スポンサーリンク
飛行機のエントリードアタイプ ~収納・外側開くタイプ~
航空機のエントリードア構造は、飛行機の機種によって異なります。
ドアは機内側からもオープン可能ですが、日本ではグランドハンドリングスタッフがパッセンジャー・ボーディング・ブリッジ(PBB)側よりドアオープンします。
共通事項はドアオープン時に損傷や凹み等ないか確認し、オープン後は必ずドアが動かないようにストッパーロックをすることです。
このストッパーロックの確認を怠ることで安全確認不足となり、万が一事故が発生した時はドア開閉操作した作業員が責任を負います。
飛行機ドアモードのアームド・ディスアームドの違い
全ての乗客が搭乗してドアが閉まると、チーフパーサーから「業務連絡、客室乗務員はドアモードをアームドに変更してください。」とアナウンスが流れます。
これはドアモードをアームドに設定することで、緊急脱出の際にドアオープンすると緊急脱出ドアが作動する状態となります。
航空機が駐機場(スポット)に到着すると「業務連絡、客室乗務員はドアモードをディスアームドに変更してください。」とアナウンスが流れます。
ディスアームドとは、飛行機のドアオープン時にスライドが膨張しないための状態です。
後にお伝えするグラハン作業員側もアームド・ディスアームド状態を、必ず確認する必要があります。
スポンサーリンク
グランドハンドリングスタッフが注意する飛行機ドアオープン時の注意点
グラハンスタッフがエントリードアオープン時に一番注意するポイントは、【緊急脱出スライド】です。
緊急脱出スライドは、飛行機が火災やハイジャックなどで発生し、緊急で逃げる時に使用するすべり台のようなものです。
本日初めて、緊急脱出スライドを体験しました。これでこれから堂々と非常口座席に座れます😤 pic.twitter.com/s2o9sZRVTL
— トラノ (@toranomile) February 17, 2020
機内のCAからドアオープン時に確認合図がとれますが、完全にドアオープン前に緊急脱出スライドが作動しないかグラハン作業員でも目視確認します。
CAのサムアップ、ドア隙間底辺部分の確認を失脚してドアオープンすると、緊急脱出スライドが搬出されて、大事故に繋がります。
ドア底辺隙間から緊急脱出スライドが搬出されないか確認して、エントリードアオープンとなります。
PBB及びタラップ車の内容につきましては下記を記事をご参照ください↓
緊急脱出スライドは勢いよく展開されて、重大インシデントとしてCAB(航空局)からも事情徴収されます。
飛行機のエントリードアオープン操作作業
エントリードアには小窓があり、窓越しからCAのサムアップ(問題なし)合図確認後に、初めてドアオープン作業となります。
CAのサムアップはドアモードの兼ね合いが生じるので、確実に確認しなければなりません。
ドアオープンの仕方は飛行機の機種で操作方法が違いますが、搭乗口ドア表面にハンドルがあり、ハンドル部分を持ち上げたり回転することで、ドア部分の噛み合わせが解除します。
エントリードアオープン後はドアロックを確実に行い、初めてCA及びグランドスタッフに作業完了合図をだしてお客様降機となります。
スポンサーリンク
飛行機のエントリードアクローズ操作作業
エントリードアクローズで一番注意する事は、ご自身の指がドアに挟まれないことが最重要です。
私の経験上、地方の空港でドアクローズの際に指を切断した事例を、いくつか聞いた事があるので、安易な気持ちで行うと大事故になってしまいます。
エントリードアクローズは全ての旅客が搭乗し、グランドスタッフから指示でドア周りにゴミや障害物がないか目視確認して、ドアロックを解除してクローズ作業へと移ります。
ドアが上部に収納するタイプは、ドアオープン時に隙間が出来た部分までドアクローズ後、ドアハンドルを押し付けるように閉めます。
ドアが外側に出るタイプは、ドアオープン時に隙間が出来た部分までドアクローズ後、ドアハンドルを掴んで180度ハンドルを回します。
ドアハンドルを180度回すタイプの方が、ドアを上部に収納するタイプより比較的安全です。
エントリードア開閉時は、基本的に機内のCA立ち合いの上で作業を行います。
その理由は、外側からだとしっかりと閉めたつもりでも、内側ドアに何か引っかかる恐れもあるので、外側・内側に人員を配置します。
ドアクローズ後、ドア表面に傷や凹凸がないか確認しながらドア全体を指差呼称して、問題なければCAにサムアップしてPBBもしくはタラップ車を離脱させます。
スポンサーリンク
現役グラハンが語る飛行機ドアに関する恐怖経験談
私が初めてドアクローズを経験した際に、ドアに指が挟まれる可能性があったことがあり非常に怖かったです。
初めてのドアクロースでは、想像以上のドアの重量により圧力負荷が生じてる状態で、ドア閉鎖時の反発力と衝撃音に驚きました。
エントリードア操作時にハンドル部分を握ったままドアを閉めると、指の切断は避けられません。
簡単で単純ではありますが危険作業の為、中途半端で行うと大事故に繋がります。
最近の新しい機種(B787)などは、エントリードアの仕組みも変わり左程危険性も無くなりましたが、古い機材は未だに存在するので安全作業で行うことが重要です。
素手で行う作業員もいますが、そういう方は自分から怪我をしに行くようなもので、怪我をしたくない方は軍手・グローブを必ず身に着けます。
まとめ
今回は飛行機のドアの正式名称って何?それぞれの使用用途やオープン・クローズの操作方法を現役GHが解説しました。
結論を言います!
エントリードアオープンは、基本的な手順とCAの確認行為を怠ると、緊急脱出スライドが発出され、PBBやタラップ車だけでなく作業員にも支障を与え最悪死亡するケースにつながります。
ドアオープン・クローズ操作には手順があり、飛行機の機種によって操作方法は異なりますが、一つ一つを丁寧に取り扱いそれぞれの特徴を把握をして作業に従事することが大切です。
スポンサーリンク