空港のケータリングスタッフが行うフードローダー車とは?現役グラハンが解説

ケータリングサービス 航空業界

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この記事は2023年5月30日に更新しました。

空港のケータリング車両(フードローダー車)とは

フードローダー車

フードローダー車とは、機内で提供する機内食・ドリンク・販売品等・機用品を搭載するためのケータリングサービスで、グランドハンドリングスタッフ(ケータリングスタッフ)が行う作業の一環です。

会社によって呼び方がフードローダー車/ハイリフトトラック車とも呼ばれており、車両荷台部分が上昇できる構造で、飛行機ドアまで荷台を昇降し機用品搭載を行います。

ケータリング車両は大型・中型・小型タイプとあり、基本的には大型車両を取り扱いする企業が多く、20トン車両以上のため大型免許が必須となり、小型タイプでも中型免許が求めれます。

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ケータリングスタッフになるには?

ケータリングスタッフになるには、ケータリングサービスを行う会社に入社する必要があります。

大手企業だと、ANAグループのANAC・JALグループのJALロイヤルケータリングをはじめ、TFKゲートグルメジャパン名古屋エアケータリングなどのケータリング会社に入社しなければなりません。

 

入社にはフードローダー車を操作するための大型免許が必須なので、ケータリングスタッフを目指す方は事前に取得をオススメします。

大型免許取得費用は高いですが、大型免許がないと空港内で走行するためにフードローダー車の運転ができません。

初期費用を溜めらう気持ちも非常にわかりますが、興味あるケータリングの仕事と自分の投資だと思って一歩踏み出すことが大切です!

 

大型免許を取得なら全国に展開する合宿免許ドリームで幅広い車種を取り扱い、値段も比較的安くご自身に合ったプランが見つかります。

ケータリングスタッフとして、長年勤めていくと必然的に免許を取らざる得ないので、早めの行動が大切です。

 

 

ケータリング車両の他に、グランドハンドリングスタッフは様々なGSE(Ground Support Equipment)という特殊車両に乗車するために免許が必要です。

 

免許を所持した方は、会社規定で定めたカリキュラムをこなし社内資格を取得し、独り立ちにむけて訓練を行います。

会社によって訓練カリキュラムは異なりますが、一般道路からランプ内走行訓練を行い、装着・離脱方法を熟知していきます。

 

空港ランプ内を走行にはCAB(航空局)が開催するCAB空港内運転許可の試験を受けなければなりません。

 

CAB運転許可試験に合格し社内の訓練を得て、ようやく独り立ちとなります。

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フードローダー車(ハイリフトトラック)を飛行機に装着方法

フードローダー車を飛行機に装着する時の手順は以下の通りです。

  1. 誘導員を配置する。
  2. 誘導員に従って飛行機手前3mまで前進する。
  3. エントリードア(飛行機のドア)に対して誘導員に従って徐々に距離を詰める。
  4. 車両停止後、ニュートラル、パーキングブレーキ、PTOに切り替える
  5. アウトリガー(転倒を防止装置)、チョーク(車輪止め)を確実に施す
  6. 作業者は荷台に移動し、荷台を上昇させる
  7. ドア付近まで上昇して、観音扉や安全柵を施す
  8. 機内にいる作業員に合図をし、ドアオープンを実施する。

PTO(パワーテイクオフ)とは、特殊車両に付随する機能で作業中の場合は走行モードからPTOに切り替えないと作業モードにならず、フードローダー車では荷台が上昇せず、タラップ車等にも備わってます。

アウトリガーとは、重い車両を転倒防止するための車体から腕のようなものを出して安定させることを言います。

アウトリガー

アウトリガーは左右2か所づつ計4か所

 

大雨で視界が悪い時や、強風時では航空機が揺れるため、接触事故を避ける為に通常よりも装着距離を長めにとります。

 

装着の際、航空機とフードローダー車が離れすぎると、ケータリングスタッフが機内に出入りできません。

誘導員が車両誘導後にトライバーは、自分の目で車両と機体のドア距離を地上から見上げるように確認してから、荷台に乗りこみ上昇します。

 

周囲にはベルトローダー車・ハイリフトローダー車が飛行機に装着され、荷物の取り卸しの為に作業を行っているので、接触しないよう厳重に警戒します。

 

ベルトローダー車・ハイリフトローダー車の詳細につきましては下記を参照ください↓

 

航空機装着後フードローダー車の荷台部分を、エントリードアと同じ高さまで上昇し、ドアオープン操作へと流れます。

 

ドアオープンの操作方法と名称につきましては下記を参照ください↓

 

ドアオープンの際は必ず命綱をフードローダー車にかけて、作業を行う必要があります。
過去の事例で命綱をせずに、ドアオープンをした際に誤って転落した人もいるので、ドア操作する作業員はマストで命綱を身につけなければなりません。

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ケータリングスタッフが乗車するフードローダー車の走行注意点

フードローダー車

大型フードローダー車の走行注意ポイントは、急ハンドル・急旋回しないことです。

360度から車両が飛び出ることが多いランプ内では、事故回避の為に無意識にハンドルを突然きることがあります。

みのる
みのる

仮にハンドルを急にきった場合は車両が転倒する恐れがあり、運転者や作業員も怪我だけでく命を落とす可能性があります。

 

ランプ内は制限速度が30㎞で、トンネルの狭い箇所や急カーブもあり、高さ制限が設けられる場所は迂回もしなければならず、不注意に通過して事故する人もいます。

誤って人をはねさせてしまい、死亡事故になれば人生は180度狂ってしまうので非常にリスクが高い車両ですが、ケータリングスタッフは毎日乗りこなしています。

まとめ

今回は、空港のケータリングスタッフが行うフードローダー車とは?現役グラハンが解説しました。

  • 「空港のケータリングサービスって機内食搭載以外何を行うの?」
  • 「ケータリングサービスを行うのに車両って使うの?」
  • 「空港のケータリングサービスって大変なの?」
みのる
みのる

結論を言います。

  • ケータリングサービスは機内食の搭載やドリンク、プラカップや機内販売品など搭載を行い、機内搭載するためにフードローダー車/ハイリフトトラック車を使用します。
  • 飛行機の到着後から出発迄の時間(ターンアラウンド)に、前便の機内食の撤去と、次便用搬入作業を行うので作業はスピーディーに行わないと遅延になる為、時間との勝負となります。

 

フードローダー車は20トン越えの車両を使用する企業が多く、ランプ内も狭い箇所があり高さ制限にも注意しないと事故に繋がるので運転技術が求められます。

車両を航空機装着後は、荷台へ移動しエントリードア付近まで上昇し、機内の物品の搬入作業を行いますが、機体と車両間隔やアウトリガーの実施が無いように確実な確認をします。

 

作業を時間内に終了させてないと、お客様の搭乗時間に支障をきたすため、出発遅れにならないよう迅速に作業を終わらす必要があります。
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