マーシャラーになるにはどんな資格が必要?飛行機誘導員のサインと仕事内容とは?

マーシャラー航空業界

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マーシャラーになるには資格や訓練を必要?

マーシャリング(飛行機の誘導)

マーシャラーとは飛行機の誘導員のことで、誘導棒やパドルで旅客機や航空機を操縦するパイロットに正確に誘導し指定されたラインに停止させるグランドハンドリングスタッフです。マーシャラーのことをマーシャリングとも言います。

マーシャラーになるには国家資格・民間資格などの取得は必要ありません!!ですが、入社して作業の基礎内容を覚えた後に、ベルトローダーやマーシャラーのような訓練が始まり、インストラクター(上司・先輩)の下で練習が始まります。

【訓練内容】

  • 座学(ペーパーテスト有り)
  • 素振りの練習
  • 車両での実機訓練
  • 実機訓練

※ペーパーテストはありますが、基本的に間違っていたとして教官が後から教えてくれるので深刻に考える必要はありませんが、知識がないと実機で対応できないので把握は必須です。

多くの方をはじめ、私自身もそうですがマーシャラーになるには、ます座学と素振りの練習から直々に行います。

みのる
みのる

私は2008年に初めて入社したグラハン委託会社の上司が厳しく、一週間当たり約500~1000回程の素振りの練習をして、訓練中は腕がパンパンになる状態までやりました。

右旋回・左旋回・徐行など、一通りの振り方を一通り覚えると、飛行機を想定しての車両を使って誘導練習を行います。

飛行機は通常誘導路のセンターラインに沿ってマーシャラーに向かってきますが、飛行機の前輪(ノーズタイヤ)が駐機場の真ん中のライン上に乗らずに、ずれて来ることがあります。

空港のセンターライン

センターライン

この場合、マーシャラーが軌道修正するための左旋回や右旋回の信号を発信し、ノーズタイヤをセンターライン上に乗せるように微調整を行います。

みのる
みのる

私のインストラクターは鬼教官だったので、飛行機を想定した車両を使った訓練では、乱雑に車両で向かってくるので、

右旋回、左旋回、右旋回、左旋回、右旋回、左旋回、右旋回、左旋回

の連続で、毎秒修正を行ってました( ;∀;)

みのる
みのる

実際に飛行機はパイロットの技術が高いので、極端に左右に行ったりする事はないのですが、訓練なのでやむを得ない想定の中、当時は1時間半程振りっぱなしでした…

ちなみに、実機での誘導はおよそ30秒ほどですが、過酷の訓練を耐えたおかげで本番での実機がとても楽に感じました(笑)

よく注意されたことは、コックピットから見る角度と地上からのマーシャラーでは、飛行機の機種によって高低差があるのでパドルの表面がパイロットに見やすい角度で振り付けすることが大切だと言われました。

誘導棒(左)とパドル(右)

誘導棒(左)とパドル(右) 出典:ascii.jp

みのる
みのる

家では、わざわざしゃもじを二つ購入して鏡に映る自分の誘導の振りを見ながら、練習したこともあって部活の自主練習みたいな感じでしたね。

振り方に誤りやおかしい点は毎回手直しの連続で、他のインストラクターの訓練を見てもらうと、違った振り方を教わるなど教官によって個性があるので、人それぞれ癖があります。

そのため、極力同じ人に教わった方が後々の為にも楽です。

しかし、現実的には便が遅くなったり、休日が異なると担当教官に指導してもらうことは出来ないので、代理の教官に確認してもらうことがあります。

インストラクターの元で実機を10回程見てもらった後、問題等なければ晴れて独り立ちとなりますが、機種毎(ボーイング737767)によって資格が分けられ737のマーシャラーの資格の次は767の訓練を行います。

機種を多く扱っているグラハン会社では訓練期間も長くなり、1機種あたりの訓練期間は約2週間~1カ月程で仕上げていき、インストラクターが合格といえばマーシャラーとなります。

訓練教官から見て、正しくシグナルをだして、的確にパイロットに指示及び、マーシャラーが全体を把握して作業に支障が問題ないと思えたら、マーシャラーとして認定が頂けます。

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マーシャラーの給料や年収ってどのくらい?

マーシャラーはグランドハンドリング全般の中の一つの作業分野であり、誤解されるのが、マーシャラーだけの職業はありません。

そのため、グランドハンドリングスタッフでの給与が基準となり、就職する航空会社や委託会社によって年収も大きく変わってきます。

 

グランドハンドリングスタッフの給料について具体的な金額を暴露しているので、以下の記事をご参照ください↓

 

グラハンがするマーシャリングの注意点とは?

マーシャラーは航空機が到着する5分前に、飛行機が駐機するスポット周辺を石や釘、ゴミクズが落ちてないかをチェックします。

指定された停止ラインに止めるだけの作業で単純だと思われますが、飛行機という巨大物体を自分一人の力で誘導するので、すごい緊張感と責任感を感じます。

停止ラインを大幅に超えたりずれたりすると、PBB(Passenger Boarding Bridge)が飛行機に装着できず、トーイングやプッシュバック作業の発生となります。

PBBの構造に関しての詳しい内容につきましては、こちらの記事を参照ください↓

 

飛行機がスポット(駐機場)に到着後、多くのお客様は席から一斉に立ち上がりハットラック(機内の荷物収納)から手荷物を出して、降機する準備に入る光景をご覧になったことがあると思います。

もし、マーシャラーのミスでPBBが装着できなかった場合、修正に伴う準備や作業時間に少なくとも5分以上のロスが生じる他、立っているお客様を再度座席に座らせるためにアナウンスや呼びかけをおこないます。

飛行機が停止ラインよりも手前に止まらせた場合、飛行機を牽引するためのトーバーを飛行機に繋ぎ、逆に停止ラインよりもオーバーした場合もトーバーを繋ぎ押し出す作業(プッシュバック)作業をします。

プッシュバック

プッシュバック

ということは降機が遅れる他、お客様に手間を取らせるなど、CA(キャビンアテンダント)はお客様のクレーム対応に負われます。

みのる
みのる

マーシャラーは重要な役割を担っており、判断に誤ったり迷ったシグナルを送るとキャプテンにも迷惑をかけるので、大きくわかりやすく誘導をすることが大切で失敗は許されません。

マーシャラーの振り方やサインってどんなもの?

バニラエア

マーシャラーは軌道修正を行う為のサインや振り方を把握しなければなりません。

下記の動画は、飛行機がアプローチして停止するまでのマーシャラーのサインです。

みのる
みのる

マーシャラーが普段使用する信号。

  • 右旋回
  • 左旋回
  • 直進信号
  • 徐行信号
  • 停止信号
  • スタンバイ
  • チョークオン
  • 緊急停止

緊急停止は滅多にありませんが、飛行機がこちらに向かってくる時に危険だと感じた場合は、躊躇なくかけることが大切です。

例えばマーシャリングを行っている時に、風の影響で帽子やビニール袋などさらには車両が誤ってこちらに近づいてきた場合、両手を大きく上げて手を振るようにコックピットに緊急停止をしなければなりません。

危害を及ぼす可能性がある場合は、緊急停止をかける必要があります。

この緊急停止をかけることで、パイロットによっては到着後にマーシャラーに尋問される事があります。

そのため、緊急停止をかけることに躊躇する人もいますが、安全面を考慮した上では大事な事で、こちらの言い分に非がなければパイロットも何も言ってきません。

みのる
みのる

むしろ、危険を省みずに緊急停止を行う事は勇気があることで、安全第一で作業をすることは一番の優先順位です。

出発マーシャリングとは

出発マーシャリングとはプッシュバックを必要せずに航空機が自走できるように、マーシャラーがサポート業務をします。

通常の旅客機ではプッシュバックを用いりますが、ビジネスジェットや自衛隊の機体は駐機したスポットから地上走行を行うので、問題なくブロックアウトできるようにサポートをするのが出発マーシャリングの役割です。

ビジネスジェットで使用する機材のガルフストリームグローバル・エクスプレスなど、左右に1基ずつ合計2基のエンジンが備わってます。
ダッソーファルコンは左右1基ずつに加えて、真ん中部分の垂直翼にも1基あり合計3基のエンジンが備わってます。

全ての乗客、乗員、荷物を搭載し、航空機のチョークをリリースしてオールドアクローズになると、パイロットが管制塔に出発するためのコンタクトします。

ビジネスジェットを操縦するパイロットの立場からすると、狭い場所でブロックアウトする時は、周りの障害物とのクリアランス(十分なスペース)・突然車両の出現などマーシャラーのアシスタントがあるだけで不安材料を軽減ができます。

みのる
みのる

マーシャラーは航空機正面に向かって離れて立ち、出発シグナルを出します。

出発マーシャリング手順

航空機から離れた状態で出発マーシャラーを正面にスタンバイし、機体から見て右側のエンジン(NO.2)からスタートし、次に左側のエンジン(NO.1)の順にスタートします。

コクピットからハンドシグナルで2の合図が出ると、マーシャラーも左手は2を出しながら真上に挙げて、右腕は真上に挙げて大きく円を描くようにNO.2エンジンが始動してる表現をします。

NO.2エンジンが完全に回り切れば、コクピットからハンドシグナル1が出るので、左手は1を出しながら真上に挙げ、先ほどと同様にNO,1エンジンを始動します。

全てのエンジンが始動するとパドルを所持し機体に向けてスタンバイ合図を出します。

この間にコクピット内では自走に向けて最終準備を行い、フラップ、ラダーの確認、管制官のタキシング許可、全てのインジケータークリア状態であるか確認します。

コクピットが全ての項目に問題ないと確認後、機体が自走する瞬間にランディングライトが点灯します。

みのる
みのる

これは機体が発進する合図で、出発マーシャリングの作業員は直進信号を出します。

出発マーシャリングは機体を若干前進後に旋回方向(左右)に合図を出して、周りの障害物に十分なスペースに問題ないかウイングウォッチをして航空機を見届けて完了します。

下記の動画は少しだけですが、出発マーシャラーをしているシーンがございます。

最後に機体が旋回するのでジェット・ブラストを浴びないように素早く退避します。

※ジェット・ブラストとは航空機エンジンの後方から排出する高温噴射のことで、小型機とは言えその威力は人が飛んでしまう他、コンテナや大型のダンプも吹き飛ぶ程のパワーがあります。

みのる
みのる

3基エンジンを所有する場合の出発マーシャリングは

  1. 真ん中エンジン(NO.2)
  2. 右側エンジン(NO.3)
  3. 左側エンジン(NO.1)

の流れでエンジン始動開始となります。

4つエンジンを含む機体は、2つエンジンを所有する機体同様で一番右側のエンジン(NO.4)から順にスタートします。

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現役グラハンが語る初めてのマーシャラー体験談

ANA

みのる
みのる

私が初めて誘導した機種はA320という小型機の航空機の誘導をし、小さいとは言えども最初はとても緊張して終了時は手が震えてました。

当時は20歳で小さい頃から夢だったマーシャラーになれた時は本当に嬉しく、注目されるポジションに憧れてたこともあり遣り甲斐をすごく感じました。

鬼教官の元での練習は辛かったですが、元々マーシャリングをする為の意欲が強い事もあり、家ではしゃもじを2つ買って練習にも励んでました(笑)

マーシャラーに憧れてはいる方は元々興味もあり、学習する傾向も早いので訓練期間は短く独り立ちが早いかもしれません。

みのる
みのる

ちなみに私は、初めての実機では褒められましたが、実機に入るまでの訓練が3週間以上かかりました。

マーシャリング対応は今後は機械がメインなの?

現在の主要空港ではVDGSという機械を用いての誘導を行っているので、昔と比べてしまうとマーシャリングをする機会は減少しました。

ですが空港のスポットはPBBがあるターミナルスポットPBBがないオープンスポットの2種類あり、基本的にオープンスポットにはVGDSが設けられておりません。

 

VDGSの内容について詳しい記事はこちらをご参照ください↓

 

よってマーシャリングが完全に無くなるわけではなく、機械が不具合起きた際に手動で対応できるように一定の間隔でマーシャラーのリカレント訓練もあります。

マーシャラーに憧れている方は、現在でもマーシャリングをする機会があるのでご安心くださいね。

まとめ

今回は、マーシャラーになるにはどんな資格が必要?飛行機誘導員のサインと仕事内容について解説しました。

  • 飛行機の誘導員になることって大変なの?
  • マーシャラーになるためには国家資格など免許が必要なの?
  • マーシャラーって今後無くなるって聞いたけど実際どうなの?
みのる
みのる

結論を言います!

飛行機の誘導員はグランドハンドリングスタッフが行い、民間等の資格は必要はありませんが、訓練を重ねた上で社内資格が発令しないとできません。

また、羽田空港や関西空港など拠点空港では、VDGSという機械によって飛行機の誘導を行いますが、全ての駐機場にVDGSがあるわけではないので、完全にマーシャラーが無くなるわけではありません。

みのる
みのる

マーシャラーは昔からグランドハンドリングスタッフの作業の中で一番注目される作業で、飛行機の誘導に憧れてこの業界に参入する方が多く、私もその一人です。

マーシャリングを行うまでの間に、素振りや各種信号を覚える必要はありますが、膨大な量はそこまで多くありません。

大事な事は、いざという時に緊急停止信号だせるかどうかです。

実際に自分の力で航空機を誘導することは、本当に感動するのでマーシャラーを目指す方は、諦めずに挑戦してくださいね!

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