航空機のGTB(グランドターンバック)とATB(エアーターンバック)の違いを現役グラハンが解説

航空機のGTB・ATBの写真航空業界

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飛行機のGTB(グランドターンバック)とは

航空機のGTB・ATBの写真

GTBとはGround Turn Back(グランドターンバック)のことで、名前の通りブロックアウト(駐機場から出た)した飛行機が再度スポット(駐機場)に引き返して戻ることを言います。
みのる
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航空機がGTBする多くの理由は機材不具合が多く、時には急病人が発生した場合に航空機が引き返す時もあります。

 

通常だと出発準備も整い、全ての乗客・手荷物・貨物を搭載させ航空機からPBBも外れて、プッシュバックが開始され航空機が自走します。

自走直後に突如ディスパッチ(運航管理者)もしくは、メカニック本部からGTBする連絡が無線でオールステーションに入ります。

GTBが発生すると把握したグランドハンドリングスタッフは、再到着するためのチョークやPBBのプリセット・ウイングウォッチを配置してブロックインに備えます。

 

PBB及びウイングウォッチに関しての記事は以下を参照ください↓

 

自走した航空機が駐機場に再ブロックイン後、再びPBBを装着させてラインメンテナンス(整備士)がコクピットにいるキャプテンから状況を聞いて修復作業を行います。

みのる
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この時のラインメンテナンスは、時間に負われてイライラ感が増しており作業状況を聞くタイミングを読まないと、お叱りも受ける可能性もあるので空気を察して聞く必要があります。

グラハンの規則作業責任者は現在の状況をディスパッチに報告して、修理完了見込み時間や不具合状況をオールステーションに伝えます。

グランドハンドリングスタッフは、修理中の間にいつでも出発できるように、航空機にトーバーを装着を行います。
グランドハンドリングの出発作業内容は以下の記事を参照ください↓

整備作業が無事に問題が解決すると、PBBを離脱させて再度ブロックアウトになります。

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航空機のATB(エアーターンバック)とは?

航空機のATBの写真

ATBとはAir Turn Back(エアーターンバック)のことで、飛行中に急病人が発生したり、航空機の不具合が生じた際に出発地に引き返す事を言います。

秋シーズンだと台風の発生が多く、九州では台風が上陸すると首都圏から出発する場合は、条件付き運航がよくあります。

みのる
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あらかじめお客様に条件付き運航の情報をお伝えし搭乗前にグランドスタッフがアナウンスします。

 

グランドスタッフのアナウンスに関しては以下の記事を参照ください↓

 

事前に条件を承諾してお客様も搭乗するので、実際にATBが起きた場合も機内でクレームを挙げる人は多く到着地の空港の天候が大荒れの原因で、引き返すことがあります。ないみたいです。

冬シーズンの北海道や東北地方では条件付き運航がよく発生され、雪のせいで視界不良になり滑走路封鎖となるので、やむを得ない場合ATBを選択することがあります。

パイロットの中でも意地がある方もいて、台風の最中でもタイミングを見計らって着陸を試みる方もいるので、ランプスタッフは常にスタンバイをしております。

みのる
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ひどい状況の中で着陸する訳ですから地上職員が凄いと思う人もいれば、唖然とする方もいます。

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現役グラハンによるGTBとATBによる私の経験談

航空機のGTB・ATBの写真

GTB・ATBを経験した熟練者からすると、「まじかよ~」っという程度なので、慣れてしまうと慌てることはなくなり、流れもわかってきます。

GTBが発生するとグランドハンドリングスタッフ・グランドスタッフなど、入社して間もない頃は慣れていないので、関連セクションでも慌ただしくなります。

急病人によるGTBやATBが発生しお客様が荷物を預けてる場合は、グランドスタッフから言われるタグナンバーを下に、グラハンは荷物の取り卸しをする必要があります。

お客様と荷物は基本的に一緒に乗ってなくてはならないので、お客様だけ降りて荷物は搭載のままは保安の関係上よくないです。

航空機の不具合による場合で修理が長引く場合は、乗客を一度降機させてゲートで待機させますが、この時のグランドスタッフは問い合わせやクレームによって本当に忙しく、出来ることであれば降機は免れたいのが本音です。

みのる
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当時グランドスタッフだった時に搭乗した客を降機させた際に多くの人がゲートカウンターに殺到したので、一つ一つさばくのに困難でした。

既に一度機内に搭乗している為、必要に応じて機内清掃やドリンクの補充が発生します。

 

機内清掃に関しては以下の記事を参照ください↓

 

修理が完了すると、お客様の人数を把握するためにグランドスタッフは再度ゲート業務を行う必要があるので2度業務を行う必要があります。

GTBによる旅客降機となって欠航となった場合は、グラハンは全ての手荷物・貨物を取り卸して荷物の返却を行います。
グランドスタッフは到着導線を開いてお客様の手荷物引き取り所まで案内後、カウンターにて返金手続きや振替作業に負われつつクレーム対応を行います。
出発導線と到着導線を同時にオープンすることがなく、搭乗を行う場合は出発導線を開け、機内から旅客を降ろすときは到着導線を開けます。
羽田空港の到着導線の写真

羽田空港の到着導線

みのる
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これらを踏まえると、地上職員はGTB・ATBが起きないように心の奥底で願っております。

まとめ

今回は航空機のGTB(グランドターンバック)とATB(エアーターンバック)の違いを現役グラハンが解説しました。

  • 「GTBはどんな時に発生するの?」
  • 「ATBが発生した時ってグラハンやグランドスタッフは何をするの?」
  • 「GTBとATBが発生したらどっちが大変なの?」
みのる
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結論を言います!

  • GTBは飛行機がブロックアウトしてから離陸するまでの間に、急病人の発生や航空機の不具合が発生した時などに発生し、元にいた駐機場まで引き返します。
  • ATBが発生した場合はグラハンは到着準備を行い、グランドスタッフは振替作業の手続きや時間帯によってホテルの手配を行うための準備をします。
  • GTBもATBも発生する内容によりけりで、ATBが発生した時は比較的準備時間が確保できるので余裕を持てるのは事実で、GTBはすぐに駐機場に戻ってくるので素早い判断と準備が必要です。

GTB・ATBが発生すると慌ただしくなり、業務量が増えて場合によっては大幅な遅延の可能性になるので誰一人喜ばないのが実情です。

お客様側にとっても遅延に繋がってしまい、ツアー予約で間に合わないと宿泊所までご自身で移動する必要となるので良いことはありません。

みのる
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特にグランドスタッフ側からすると本当に苦痛で、作業量だけでなく精神的にも繋がる為、GTBによる航空機からの降機と欠航は望んでおりません。

飛行機に乗る搭乗者と航空機の作業者に従事する人たちが、GTB・ATBになる機会がないこと祈ります。

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