元グランドスタッフが経験したクレーム実例紹介!対応方法と謝罪のコツも伝授します

空港カウンターグランドスタッフ

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この記事は2023年5月30日に更新しました。

航空会社所属の元グランドスタッフが経験したクレームの実例

みのる
みのる

私がグランドスタッフの頃に経験したクレーム内容は以下の通りです。

  1. 「飛行機出発時刻まで10分前、チェックインカウンターに来たお客様がカウンタークローズして搭乗できず次便に案内した結果、激怒された。」
  2. 「グランドスタッフの説明がはっきりせず、お客様は話し方に対して機嫌を損ねてクレームを言う。」
  3. 「到着地で預けた荷物をお客様が自分の物だと手にした所、実際には他の人の預け荷物だった(クロスピック)。間違って取られたお客様にご連絡して再度空港に来てもらった所、反省なくふてぶてしい態度を取られた。」
  4. 「規定では持ち込み荷物が7キロまでだが、実際には9キロだったので、減量して頂くか、別料金で預けてもらうか促したところ逆上された。」
  5. 「お預けする荷物の中に航空機に搭載できないものが含んでおり、出発搭乗口にて破棄依頼をした所、納得せず怒り出し飛行機が10分遅延した。」

クレームの種類は数え切れず、グランドスタッフは自分たちが犯したミスでなくても、お客様方に謝罪をしなければなりません。

クレーム対応がきっかけでストレスを感じ、グランドスタッフが大変の理由で退職する人もいます。

 

グランドスタッフ歴5年以上のベテランでも、未だ納得いかないクレームを受けて日々奮闘される方もいますが、最初に比べるとクレーム対応にも慣れてきて落ち込まずに切り替えができる力を知らぬ間に身につき成長されております。

一方の新人グランドスタッフはお客様だけでなく先輩方にも作業中に注意され、苦痛でストレスを感じ嫌な事があったらトイレに行って泣く新人も何名かいました。

また、新人の間は専門用語も覚えなければいけないので非常に大変です。

 

先輩とお客様のダブルパンチで覚える業務量も多いですが、それを乗り越えた時の力は本当に自信がつきます。

みのる
みのる

ちなみに私は新人の頃に飛行機の不具合で当初は30分遅延でしたが、修理が間に合わず更に30分の遅延となり、一人の男性お客様が私に怒鳴りに来ました。

お客様A
お客様A

「ふざけるな!!!」

「さっさと飛行機出せよ!!!」

と、興奮状態の中で平謝りする方法しかありませんでした。

結果的に1時間の遅延でおさまりましたが、ゲート改札を通過するお客様からにらまれたり、他のお客様からもクレームをもらうなど、悪役でおわりましたが…

グランドスタッフA
グランドスタッフA

「大変な対応ありがとう」

周りからヒーロー役で終わり、結果的にプラスマイナスゼロな感じでした。

特に新人の時はOJTの腕章を腕に身につけ対応しますが、一部のお客様は皮肉にも嫌がらせのように侮辱してきますし、お客様自身のミスや手違いにも関わらず問答無用で大声をだしてクレームを放つ方もいます。

 

クレーム対応に苦手な方は、私がオススメする最強の話しかた本を一度手に取ってください!

実体験の話が多く、業種に関わらず使える実践的でわかりやすい話が特徴で、色々なクレームクレーム事例があって、共感できる箇所が沢山ある本です。

事前にテクニックと引き出しを備えておけば、実践で本領発揮ができる場面が多いと思うので一度目を通してはいかがでしょうか?

元グランドスタッフである私が受けた一番大きいクレーム実例

みのる
みのる

当時私が担当してたフィリピン航空の到着業務に慣れてきた頃に、遠くから一人の男性が明らかに怒った様子でこちらの方に向かってくるのが分かりました。

しかし、お客様が利用してたのはエディハド航空という中東の航空会社で、なぜ私に言い掛かりをするのかわかりませんでした。

そもそも、2015年当時は羽田空港にエディハド航空は就航していないため、凄く疑問を持ちながらも話を聞いたところ・・・

お客様A
お客様A

「フィリピン航空に搭乗して羽田に来た!」

みのる
みのる

(エディハド航空利用でフィリピン航空に搭乗した!??)

怒りがおさまらないまま早口言葉と、顔まっかっかの状態でクレームをいわれても、オンライン英会話で鍛えた私の英語力では、ご立腹したお客さまが発言する英語でのやり取りはわけがわからない状態でした。

しまいには、怒鳴りながら私の事を押し出したりするなど、館内に広がる程の大声で訴えたりする中…

お客様A
お客様A

「航空会社の責任者を呼べ!!」

など、到着業務始まって以来の航空会社の責任者請求を求めてきたのです。

きっと、自分との会話に嫌気がさしたか、英語でまともに会話できないのが分かってイラだったのかわかりませんが、航空会社の責任者がきたところでお客様の怒りは収まりません。

むしろ、航空会社の責任者も言葉が早すぎてあまり理解できなかった模様でした。

 

顔を赤くした状態でお客様が言い分を述べるだけで、航空会社の責任者もどうして良いかわからず、お客様が怒り狂ってる中での未着レポートを作成しました。

未着レポートを作成中にお客様の表情が段々と疲れがでてきたのか、落ち着いたのかそれとも諦めたのか謎ですが、段々心を開いてくれて謎が解けてきました。

【本来のお客様が搭乗予定の運航プラン】

ナイロビ⇒アブダビ⇒成田 byエディハド航空

のはずでしたが、エディハド航空が大幅遅延のため便の振替をした結果

【実際の運航プラン】

ナイロビ⇒アブダビ⇒マニラ⇒羽田 byエディハド航空&フィリピン航空

になり、預け荷物のタグが成田オリジナルのタグのため羽田に到着しませんでした。

しかし、成田に荷物は到着しておらず、3日経過後も荷物は行方不明になったままの状態が続き、その結果アブダビに荷物が残っていました。

みのる
みのる

私はその後お客様と直接やり取りを行いませんでしたが、お客様対応したロストバゲージ担当のグランドスタッフによると、電話から罵声の嵐!!

お客様A
お客様A

「いつになったら届くんだ!?」

「なぜこんなに時間がかかるんだ!!」

など毎日電話の問い合わせがあり、担当グランドスタッフもさすがに困惑した状態で誰も対応したくないほどの、壮大なお客様と言ってました。

みのる
みのる

私も当時は税関職員からも心配される程、館内に広がる大声でお客様からクレームを言われたので、その時に初めて外国人って怖いと恐怖心を覚えましたね。

ちなみにその外国人のお客様の見た目が、お笑い芸人の厚切りジェイソンに似ていたのですが、

お客様A
お客様A

どうして、こうなってしまったんだ!?」

(Why Why Why???)

と、厚切りジェイソンのおきまりのネタのように「why」を連呼してたので、厚切りジェイソンの兄弟なのかと思ってしまいました。

次は国際線のグランドスタッフの頃に経験した、クレーム事例が多い未着での出来事についてお伝えしたいと思います。

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グランドスタッフが行う未着手荷物クレームの対応方法

ここではグランドスタッフが経験するクレームで国際線では比較的多い未着手荷物のクレーム対応方法を、例に挙げた具体的に説明します。

経験を重ねる内に国際線の到着業務で受けるお客様からの問い合わせは、未着の手荷物が多く未着レポートを作成するのに、以下の内容を最低限お客様から聞く必要があります。

・お名前

・電話番号

・パスポートナンバー

・住所もしくは滞在中のホテルのアドレス

・荷物の形状や色、ブランド名

・控えのバゲージタグと、預け荷物のカギの有無

・飛行機チケットのナンバー

みのる
みのる

レポート作成中2人目のお客様で荷物が流れてこないと問い合わせがきますが、このような状況を毎度と経験してた為、レポート作成も素早く作成ができて次のお客様を左程待たせる事はなかったです。

 

本来は3人態勢で行う到着業務を当時は人手不足のため全て一人で対応を行い、一番多い時では1便で4個も未着の手荷物が発生し、4組のお客様が私の方へと集まった事もあります。

3人以上のお客様が一気に問い合わせを受ける時は、自分のキャパシティーも超えて、お客様も待ちくたびれ、更に逆上する人もいました。

お客様によっては優しい方もいてこちらが謝罪しても、快く受け入れてくれる人もいますが、文句を言うお客様の方が多いです。

お客様B
お客様B

「預けた荷物が流れた来ないんだけど・・・」

「明日仕事場に持っていく荷物が流れてこない。」

など、預けた荷物が届かなかったり新品のバッグにダメージが発生したら、少なからずお客様の気分は害しますよね。

みのる
みのる

私がお客の立場なら嫌な気分になります。

グランドスタッフ側からすれば、この時点でクレーム発生と確信できますね・・・

お客様の預け荷物情報を把握して、一つのレポートを作成するのに英語で書く必要があるため最低でも15分はかかり、お客様リリース後にワールドトレーサーという手荷物検索システムで未着情報を発信します。

 

ワールドトレーサーの記事についての内容に関してはこちらをご参照ください↓

 

預け荷物が未着になる理由は様々ですが、私が到着業務を担当してた頃にマニラから直接搭乗するお客様の預け荷物は未着(ロストバゲージ)は少なかったです。

しかし、他の国からマニラ経由して日本に到着する乗り継ぎ便の場合は、マニラ空港で預け荷物を搭載できずロストバゲージになる事が多いです。

その一つの理由が、基本お客様と荷物は同一便でなくてはいけないのですが、外資系エアラインの場合、乗り継ぎ便まで時間がないと判断した場合は、先にお客様だけ到着地に行かせて、荷物は後から送付することが多いです。

エアラインにとって定刻出発は厳守の上で、荷物処理まですると出発時間に間に合わず、到着地のグランドスタッフ対応が多くなります。

 

ロストバゲージの被害にあうと、多くのお客様はクレームを言いに来ますので、その時は覚悟が必要です。
元グランドスタッフが教える究極のロストバゲージ対策が気になる方は下記を参照ください↓

 

では、実際にグランドスタッフがクレームを受けた際によく使う謝罪のコツについて次の項で解説します。
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空港で働くグランドスタッフがクレーム対応に行う効果的な謝罪のコツ

お客様がプンプン状態で顔を真っ赤にして、こちらに申告があった場合で先ずやることは、相手の言い分を黙って聞くことです。

お客様はうっぷんが溜まっており、思ったことを言わないと気が済まない程の怒り心頭のため、お客様が落ち着くまで話を聞くことを専念します。

必ず間に謝罪を入れては、お客様の条件に極力合わせて対応を行うと、5分前までは真っ赤な顔が怒りとストレスが軽減されたせいか、顔の強張りもなくなっていて普通に会話できるくらいまでになります。

みのる
みのる

私はクレーム対応した時に最後はお客様側の方から言いすぎてしまい申し訳ないと謝罪を頂き、名刺がほしいといわれ手渡したこともあります。

そうなればこちら側の勝利です。

 

良い結果にたどり着くには、途中嫌な事があっても最後はこちら側も気分よく終わる事ができて、今後のクレーム対応にも自信がつきます。

私が尊敬するグランドスタッフの先輩は、クレーム対応したお客様と仲良くなる関係までいき、後日お食事にご招待されるほどの神対応の接客で、いくつものクレーム対応後に段々と楽しくなってくるとポジティブ思考になってました。

《先輩グランドスタッフから教わった極意》

  • 先ずは黙って相手の気持ちになって話を聞く。
  • 申し訳なさそうな気持ちを込めて謝罪をする。

以上のことを丁寧にやることで、お客様の怒りが引いていくので、接客業でクレーム対応する方は是非お試しください。

まとめ

今回は元グランドスタッフが経験したクレーム実例紹介!対応方法と謝罪のコツをお伝えしました。

  • 怒っているお客様をどうすれば和ませることができるの?
  • どんな内容にお客様はご立腹して、どのような対応をすればよいの?
  • クレームを言ってくるお客様を鎮める方法あるの?
みのる
みのる

結論を言います!

グランドスタッフである以上まずはお客様の言い分を最初に聞くことからはじまり、こちらが悪意なくても丁寧に謝罪し、お客様に向けて心から申し訳ない気持ちで接することが大切です。

お客様の中には理不尽で、あり得ないクレームもあれば、怒りがおさまらず怒鳴って一方的に発言する人もいるので、グランドスタッフにとって一番大変な業務です。

辛いですが、過酷な状況を鎮めるためには相手の言い分を黙って聞いて、謝罪の意味を込めた低姿勢の態度で挑まなければお客様は余計ヒートアップするだけです。

こちらとしては謝罪するなんて納得いかない部分もあると思いますが、お仕事なので割り切ることも大切です。

 

グランドスタッフなり始めは、嫌な事の連続で仕事を辞めたくなる心境もあり、作業内容も多く大変ですが、成長する一つの訓練だと思って前向きな気持ちで忘れないでください。

 

みのる
みのる

大丈夫ですよ。元々グランドハンドリングスタッフの私がグランドスタッフとして、お客様からクレーム後に最後は仲良くなれたんですからきっとあなたもできます!

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